« 【民法】 間違えやすい法律知識 | トップページ | 【民法】 二重譲渡と561条 »

2006年4月 7日 (金)

【行政法】 お薦めの基本書4

■行政法


★入門書
『行政法入門』藤田 宙靖 (著)

入門書としては本書が群を抜いている。名著である。

著者は東北大学名誉教授で、現・最高裁判事の藤田宙靖(ときやす)先生。



 行政法の著名な研究者であり、長年に亘って教育に携わって来られただけに、平易な文章で分かりやすく説明をされる。

 しかも、入門書という性格を強く意識されて書かれている。例えば、初学者の間違えやすい点への言及があったり、 日常生活と行政法のリンクなどが記されている。



 これから行政法を学ぶのであれば、本書は必読であると考えられる。

 ただ、これは必要条件であって十分条件ではない。

 本書はあくまで入門書に過ぎない。

 

 また、本書は入門書としての配慮からか、伝統的な学説に則った記述が為されており(この方針は正しいと思う。入門書はまずオーソドックスな内容を伝えるべきだろう)、 ローで学ぶ法曹の視点が色濃く出た「行政法」に即効性がある訳ではない。

 

 とは言え、本書が良書であることは間違いない。購入して損は無いと思う。


 



 

『現代行政法』櫻井 敬子 (著), 橋本 博之 (著)

 他方、本書は法曹としての性格がかなり反映されている。

 

 具体的に言うと、従来の行政法の基本書に記されていたような学問的な沿革や、分類論、法的性格論などが最低限の量に圧縮されており、 判例・実務や現代的な問題点などにその紙幅の多くが費やされている。

 

 従って、ローでの行政法には本書が向いていると思われる。

 1冊で行政法総論と行政救済法がカバーされており、分量も適切である。

 決して詳細な学術書ではないが、新司法試験対策としては適当であると思われる。



|

« 【民法】 間違えやすい法律知識 | トップページ | 【民法】 二重譲渡と561条 »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

質問です。
最終文の「新司法試験対策としては適当ではないと思われる。」
という部分は、適当である、という意味になると思うのですが、いかがでしょうか。

投稿: ki | 2006年7月23日 (日) 01:57

ご指摘のとおりです。
入力を誤ってしまいました。
ご指摘、ありがとうございました。

投稿: shoya | 2006年7月23日 (日) 14:02

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【行政法】 お薦めの基本書4:

« 【民法】 間違えやすい法律知識 | トップページ | 【民法】 二重譲渡と561条 »