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2006年6月14日 (水)

【民法】 最高裁は背信的悪意者しか排除しない!?

今日は、背信的悪意者排除論について

 

 

背信的悪意者排除論は、判例・伝統的通説によって支持・構築された理論であるが、代表的な最高裁判例である最判昭和43年8月2日民集22巻8号1571頁は次のように述べる。

 

 

即ち、 「実体上物権変動があった事実を知る者において右物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情がある場合には、 かかる背信的悪意者は、登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有しないものであって、 民法177条にいう第三者に当らないものと解すべき」

 

 

ただ、この判示によって、「背信的悪意者」、および「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有しないもの」が177条の「第三者」 に当たらないことは明確になったが、以下のような疑問を生じさせるに至った。

 

つまり、

 

1. 「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有しないもの」 は「背信的悪意者」しか意味しないのか

 

それとも

 

2. 「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有しないもの」 こそがメルクマールで、「背信的悪意者」は単なる一例(十分条件) に過ぎないのか

 

という問題である。

 

 

そして、この問題について、最高裁は、最判平成10年2月13日民集52巻1号65頁で次のように述べ、2. の立場を採用することを判示した

 


即ち、 「登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有しない者は、民法177条にいう『第三者』(登記をしなければ物権の得喪又は変更を対抗することのできない第三者)に当たるものではなく、当該第三者に、 不動産登記法4条又は5条に規定する事由のある場合のほか、登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事由がある場合には、 当該第三者は、登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない」。

 

「したがって、右の譲受人は、特段の事情がない限り、 地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらないものというべきである。なお、このように解するのは、 右の譲受人がいわゆる背信的悪意者であることを理由とするものではないから、 右の譲受人が承役地を譲り受けた時に地役権の設定されていることを知っていたことを要するものではない」

 

従って、最高裁の立場によれば、背信的悪意者でなくても177条の「第三者」から除外される者が存在することになる。

 

 

【参考文献】

様々な文献が存在するが、横山美夏先生の平成10年度重要判例解説 (ジュリスト臨時増刊1157号) 63~64頁が簡潔にして要を得ている。

 

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