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2006年7月24日 (月)

【法律学の基礎】 法律学の学習の仕方

行政救済法の基本書としては、東大名誉教授の塩野先生の 『行政法II』と、京大の芝池先生の 『行政救済法講義』が有名、かつ、定番だが、これらは初学者が読むには、 ややハイレベル過ぎるきらいがある。

 

むしろ、初学者には最近出た、高木光=常岡孝好=橋本博之=櫻井敬子 『条文から学ぶ行政救済法』有斐閣、 2006年)の方が適しているように思う。

 

同書は「法科大学院生の自習用のテキストとして書かれたもの」であるが、「学部学生の予習用にも適していると思われる」 (はしがき5頁)と高木先生ご自身が述べられているように、 「入門」ということを念頭に置いて書かれたものである。



 

 

閑話休題。

 

今回のテーマは、基本書紹介ではなく、この『条文から学ぶ行政救済法』 のはしがきの5頁に書かれていた大変印象深い文章の紹介である。

以下に引用する文章は、同書のコンセプトを端的に示したものであるが、そこに示されている法律学の学習姿勢は、実務法曹のみならず、 研究者志望の者にとっても非常に適切な指摘だと思う。

 

「実務法曹にとって最も重要なのは『通説』 ではなく、『判例』である。そして、『判例』より前に『条文』がある。標語的にいえば、学ぶべき順序は、 『1に条文、2に判例、3、4がなくて、5に理論』 というこにとなる」。



「読者の皆さんには、まず、基礎を固めた後に、本格的な基本書でしっかり理論を学ぶことを期待したい。判例に盲従するのではなく、 正確に理解したうえで的確な批判を加える能力を養成するのが、法科大学院の教育の目的である」。

 

蓋し、至言である。

 

 

■他の方々の関連する記事

Gakによる「若干のコメント」 : 最初と最後に読める本
http://meronpanss.exblog.jp/4559006/

Kaffeepauseの日記 - 条文から学ぶ行政救済法
http://d.hatena.ne.jp/Kaffeepause/20060512/1147448508

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「学問・資格」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、先日ココフラッシュを見ていてこちらのブログを拝見しました。
私は行政書士試験の受験勉強をしているのですが、紹介してくださっている『条文から学ぶ行政救済法』をぜひ読みたいと思い早速購入しました。
まだはしがきと本書の使い方のページしか読んでいませんが、試験勉強を進めていく参考になりそうで、よい本に出会えたと思っています。
良書をご紹介くださりありがとうございました。

投稿: 安藤 幸 | 2006年7月26日 (水) 20:15

安藤さん、はじめまして。

拙稿がお役に立てたのであれば望外の喜びです。

同書は塩野先生の基本書や芝池先生の基本書に比べるとマイナーですが、良い本だと思います。

わざわざコメントまで頂きまして、ありがとうございました。

投稿: shoya | 2006年7月26日 (水) 20:32

今日、気付いたのですが、高木先生ご自身のホームページからリンクを貼って頂いておりました。

身に余る光栄です。ありがとうございました。

投稿: shoya | 2006年8月24日 (木) 10:52

高木先生のホームページのURLは以下のとおりです。
http://homepage3.nifty.com/hikaru-takagi/bald.htm

投稿: shoya | 2006年8月24日 (木) 10:53

ななたの法学学習について仰りたいことはよく分かりました。しかし納得がいきません。貴方のような考えは、法学学習のあるべき姿勢は「不変である」とする、一種、崇高な考えによるものとお見受けいたします。専制君主時代の法律学、天皇国家の法律学、国民主権国家における法律学もがいつも一定で不変であるとする考えですね。

しかし、国民主権国家における法律学は、判例を学ぶことではありません。判例は、国民の観点から批判されるべき存在なのです。

その辺を誤解なさっていると思われます。貴方の考えは、いわゆる、マックスヴェーバーのいう職業としての学問にみられる、まぁ、簡単に言えば、生活の糧を得るための法学ということで、それは、かなり正解でしょう。このことをぼくは軽く考えてはいません。貴方もぼくもそしてみんながまずは生きていかなければなりません。貴方の考えは、この「まずは生きていかなければならない」点をいうものにしか過ぎません。

法律学の学習がどうあるべきかは、「まず生きる」こととは何の関係もありません。貴方の考えは正解では無いのです。

投稿: kentaou1177 | 2011年9月27日 (火) 03:45

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