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2006年8月 5日 (土)

【余談】 苦手科目から得意科目に ――ゼミの勧め

■苦手科目ありませんか?
法律学の勉強に限らず、勉強をしていれば、苦手科目というものがあると思います。

もちろん、「そんなものは1つも無い。勉強する科目は全て得意科目だ!」という天才型の方もおられるかもしれませんが(笑)。


ところで、その苦手科目、どうして苦手科目なんでしょうか?


■苦手科目の種類
「苦手科目」には、大別して2つのタイプがあると思います。


第1は、勉強してもよく分からないタイプです。
具体的に言えば、勉強したのに問題が解けない、勉強したのに試験などで良い点数がとれないタイプです。
これは「結果」として、その科目が苦手になる場合ですね。言わば、「事後的」な苦手科目です。


第2は、興味が持てないタイプです。
これはそもそも、その科目に興味が無い場合ですね。言わば、「事前的」な苦手科目です。


■第2のタイプの苦手科目の対処法
純粋に第2のタイプの場合、対処は困難です。
私の場合、科目に興味を持てない場合は、その科目の研究者の方に興味を持つようにしています。


「科目でダメなら、人で行け」という方針です。


どうしてこの人はこの科目がこんなに好きなんだろう。どこに、面白味を感じているのだろう。
そういった点に注目していると、科目に対する興味が湧いてくることもあります。


ただ、「純粋に」第2のタイプであることは少ないような気がします。
つまり、試験で良い点数はとれるけれど、やっぱりその科目に興味は無い、ということは多くはないと思うのです。


換言すれば、第2のタイプの多くは、点数がとれないからその科目について興味が無いのではないか、と思うのです。



■第1のタイプの苦手科目の対処法

第1のタイプの対処法は、ただ1つです。
即ち、勉強するだけです(笑)。


こう言ってしまうと、身も蓋もありませんが、多くの場合、このタイプの苦手科目が「苦手科目」である最大の理由は、絶対的な勉強量の不足にあると思います

つまり、


勉強した

→ 難しくてよく分からない

→ 問題が解けない/試験の点数が悪い

→ 勉強しなきゃ!

→ でも、難しくてよく分からない

→ やっぱり問題は解けない/試験の点数は悪い

→ 勉強しなきゃ → ……


という負のスパイラルが一旦でき上がってしまうと、苦手意識が先行して、どうしてもその科目自体を勉強する時間が減ってしまう傾向にあります。


しかし、当たり前のことですが、放っておいても実力はつきません
ある朝、目覚めたら、司法試験の科目がスラスラ解けるようになっていた!なんていうことはありません。


特に、法律学の勉強では、「量が質に転化する」性質があることは否めないと思います。


無論、法律学の勉強の全てが「量」で補えるものだとは思いませんが、法律学はどうしても、条文、法律全体の枠組み、判例、学説などをバックグラウンドとする必要があるため、必然的に問題を解く前提となる勉強量が多いです。


ですから、法律学の力をつけるためには、一定程度の勉強量が必要なのではないかと思います。


換言すれば、勉強量がある一定を超えると、急にその科目の問題が解け出すことがあると思います

陳腐な表現ですが、毎日少しずつ水をコップに注いでいれば、いつかは、コップから水が溢れ出します。そんな感じです。


但し、ガムシャラに勉強しても効率が悪いです。
そう、どうせ勉強するのであれば、「効率の良い」勉強をする必要があります。


そして、苦手科目を得意科目にするための「効率の良い」勉強方法――少なくとも苦手意識を無くすための方法――の1つとして、その科目が得意な方に習うという方法があります。


法律学におけるその際たるものは、ゼミです。
1番良いのは、大学の先生に指導して頂くゼミですが、友人同士のゼミや、先輩・後輩とのゼミでも全く構わないと思います。


ゼミで活発に話し合えば、特にゼミで問題を解こうとすれば、自分がどの点を理解していないのか、よく分かると思います。


何故ならば、ゼミで問題を解くのであれば、自分の論理を他の方に説得的に説明しなければなりませんが、自分の論理を説得的に説明するということはとても難しいことなので、自分の理解が不充分な部分がすぐに表面化するからです


理解が不充分な説明だと、先生はともかく、友人たちはすぐに怪訝な顔をすると思います。場合によっては先生まで怪訝な顔をされているかもしれません(笑)。


そして、理解が不充分な点に直面したらラッキーです

是非、その点について、皆で議論して下さい。古来より「三人寄らば文殊の知恵」と言います。
必ずとは言いませんが、何か発見があると思います。また、1人であれこれ苦しんで勉強するよりも、そういう議論で勉強した方が楽しくありませんか?


ちなみに、「下手の考え休むに似たり」という言葉もあります(笑)。
ですから、ゼミをする場合には、必ず誰か1人はその科目について得意である必要があると思います。


■関連する拙稿


【法律学の基礎】 答案の書き方http://etc-etc-etc.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_1ef9.html

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