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2007年2月24日 (土)

【余談】 法科大学院協会に対するヒアリングの内容について

先程の記事で、法科大学院協会に対するヒアリングの報告が公開されていることについてお知らせ致しました。

 

司法試験委員会会議(第32回)議事要旨・ 配布資料
http://www.moj.go.jp/SHINGI/SHIHOU/061215.html

 

そして、同記事でその内容についてもご紹介するつもりだったのですが、引用部分の量がやや多くなりましたので、 このように別稿を用意いたしました。

 

と言う訳で、ヒアリング内容で私が興味深いと感じた箇所を以下、ご紹介いたします。

 

 

 

■法科大学院の成績と試験成績について

「法科大学院の学内成績と新司法試験の結果がどうなっているかということも非常に関心のあるところだと思われるが,私としては, 確かに正の相関があると考えている」。

 

「他の大学でも,学内のGPAと新司法試験の合格率との間に明らかな相関があるという報告例がある」。

 

と言うことなので、法科大学院に在籍しておられる皆さんは日々の勉強を頑張ってください(笑)。

 

 

 

■公法系の問題内容について

「東京弁護士会が実施した受験者に対するアンケートを見ると,公法系, 民事系を中心に出題内容が法科大学院での教育内容よりも超過しているという意見が多くなっている」。

 

「また,法科大学院協会の中でのアンケートでも,特に公法系については短答式, 論文式ともに難しすぎるという意見が返ってきている。特に論文式試験については, 協会の中のアンケートで難しすぎるという回答が半数を超えている」。

 

行政法は最近の旧司法試験では出題されていませんでしたからね。

 

 

 

■出題形式について

「論文式の出題形式も法科大学院での学習の成果を試すのに適切であったと思われる。 多くの情報量を与えてその中から重要なものを選び出し,法的な議論を構成する力が問われていたと思われる」。

 

どの試験でもそうですが、書くべきところ――端的に言えば、採点基準に載っている箇所――について論述しなければ無意味です。

 

 

■今後の出題形式について

「また,判例にかかわる問題では,判例自体を資料として与えた上で, それと設例との関係を尋ねるという形式も試みてよいのではないか。 これも判例の意味を考えさせるという法科大学院での教育方法と結び付いた出題と思われる」。

 

もし、この出題形式が採用されたとすると、現場で判例を読むわけですか。

 

有名判決であれば現場で出す意味はあまりありませんし、完全な初見判決だと読んで理解するのに時間がかかりますし、 判例出題形式は難しいと思うのですが。

 

 

 

■試験の作業量について

「私自身が刑事系の短答問題を解答してみたが、制限時間内では終われなかった。 じっくり考える受験者が振り落とされてしまうことは適切ではないのではないか」。

 

「全体として最も重要なのは,受験者に要求される作業量が試験時間に比べて多すぎる。短答式, 論文式を通じてその問題があると思われる。これを改善することによって,新司法試験の質は更に向上するのではないかと考えている」。

 

この方は、ご自分で実際に問題を解かれてみたのですね。偉いです(^_^)。

 

 

 

■その他

「実際,適性試験の出願者数は減り続けている。差し当たり2010年に予定されている3, 000人の合格をそれより早く実施することを検討していただけないか」。

 

「今年の実情で言えば100点満点で70点,80点を取れば優秀答案のレベルであろうと思われる」。

 

「私の大学で見る限りはそうだと思う。一期生は特に優秀な人たちが集まったという感覚がある」。

 

「そのような比較的優秀な層が入学してきているという割には,受験生全体としての出来は, 意外と振るわなかったのではないかという印象も受けている」。

 

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