【民法】 不法行為制度の役割?
ゴールデン・ウィーク中は更新しない予定だったのですが、興味深いご指摘がございましたので、ご紹介いたします。
hopping around: tort
law
http://www.law.tohoku.ac.jp/~hatsuru/hop/2007/05/tort_law.html#more
東北大学の森田先生が、 神戸大学の窪田先生が出版された 『不法行為法』についてコメントされています。
不法行為法の機能は、森田先生が仰るように”予防”にあるのでしょうか?
確かに、事実上の機能として予防機能、制裁機能があることは否めません。
しかし、現行民法の解釈として予防機能(や制裁機能)を第一義に求める根拠は……私には良く分かりません。
条文の文言からすれば、窪田先生のような立場の方が説得的だと思いますし、民法の世界では支持を得ているのではないかと思います。
ですが、商法の先生方は、(皮肉ではなく)商法のスキームに基づいた別角度の視点を有しておられる訳です。
そうであるならば、やはり、真摯に再検討する必要があるのかもしれません。
以上、駄文失礼。
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コメント
おはようございます。
私も森田先生の記事を読みましたが、
森田先生の指摘は、完全にはしっくり行きませんでした。
と言っても、暴論とも思えませんでしたので、
民法学の立場からいずれ考えねば、と思っています。
それにしても、森田先生の
「にしても,民法には,使いやすい「体系書」がないですね。初学者や学部生が「学ぶ」ために使う「教科書」はたくさんあるけれど,論文を書くときとかに,文献探索にも使えるように,文献の引用がきちんとされているのがあまりない。山本敬三せんせのものくらいかなぁ。商法だと,江頭会社法とか商取引法とかがあるんだけれど,ああいうのに該当するのが民法には少ない気がします。いきなり注釈民法に行けということになってしまうんだろーか」
の指摘はその通りだと思いますが、それについては東大の先生に直接言って頂ければと(笑)。
投稿: Gak | 2007年5月 4日 (金) 04:16
Gakさん、コメントありがとうございます。
この議論については、あれから、森田先生のブログで先生方同士で(!)色々と議論されているようです。
文献探索は、書籍のスタンスですからね。仕方ないと思います。
敬三先生の場合は、はじめから、教科書というか体系書に近いものをお書きになられるつもりでしたので、あのような詳細なものになると思いますが……(ですが、私が学生時代に頂いた債権総論のレジュメはもっとシンプルでしたし、物権法のレジュメも初版はシンプルでした)。
”教科書”ということになると、著者が必要最小限と思う情報だけを反復して覚えさせたい、という配慮もあるでしょうし。
とは言え、参考文献の引用の仕方については、各先生の教育に対する立場の違いもあると思います。
投稿: shoya | 2007年5月 6日 (日) 16:51
改めて、森田先生のblogを拝見しましたが、若手エース級の先生方が活発に議論していますね。
商法の先生方はあまり知らないようですが、平野裕之先生の本は、調べものにはいいような気がします。
投稿: Gak | 2007年5月 7日 (月) 06:12