【余談】 田中森一先生のお言葉
現在、田中森一著『反転 ――闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬社、2007年)を拝読しているのですが、 その中に印象的な文章がございましたので、ご紹介いたします(ちなみに同書では当時の検察内部の状況や 『商事法務』の位置づけなど色々と興味深い情報がたくさん掲載されています)。
田中森一 -
Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%A3%AE%E4%B8%80
「人間社会には、汚い世界がある。必然的にドブを生む。犯罪者は、そうしたドブのエキスを吸いながら、罪を犯すのである。 検事を含め法曹界におけるわれわれの仕事は、しょせんその『ドブ掃除』にすぎない。正義を振り立て、人をリードする職業などではない。 人間のやったことの後始末をするだけだ。それも人間のいちばん汚い部分の後始末である。」(153頁以下)。
最近は、法曹三者の業務内容も多種多様なものになっておりますし、裁判官・検察官・弁護士ではそれぞれ業務内容はかなり異なります。
したがいまして、法曹の仕事の全てが「ドブ掃除」であるとは私には思えませんが、しかし、「人をリードする職業などではない」 というご指摘には同感です。
法曹も世に多くある職業の1につ過ぎません。
「職業に貴賎は無い」という言葉がありますが、まさにそのとおりだと思います。
法曹は決して「貴」い職業というわけではありません。
先日、ある大先輩の先生(弁護士)から、「最近、自分が偉いと勘違いしている弁護士が多い。特に若い弁護士に多い」 ということをお聞きいたしましたが、田中先生のご著書を拝読していて、その言葉を思い出しました。
古人曰く。
実るほど頭を垂れる稲穂かな。
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コメント
なにがお言葉だよ。田中なんぞ犯罪者なんだよ。敬語使う相手まちがえてるてのよ。
かわいのうなやつだな
投稿: ばか | 2014年10月13日 (月) 16:06