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2008年5月15日 (木)

【行政法】 要綱に基づく給付行政の争い方について

 

今日は、質問を受けたので、行政処分形式をとっていない(=要綱に基づいた)給付行政の争い方について、ごくごく簡単に一言。

 

 

 

■説明

実際的な争い方(の大筋)についての説明ですので、粗雑な記述で恐縮ですが、大要、以下のような争い方になると思います。

 

第1は、強引に処分性を肯定して抗告訴訟に持ち込むという方法です。

 

 

第2は、公法上の当事者訴訟(実質的当事者訴訟)としての給付訴訟(行訴法4条)を用いるという方法です。

 

つまり、

 

「要綱を作るのは契約の申込み、国民の申請はその承諾ととらえて、契約は申請で成立する」

 

と考えて給付訴訟と構成するという方法です(斎藤浩『行政訴訟の実務と理論』〔三省堂、2007年〕347頁)。

 

この考え方が投影された下級審裁判例としては東京地判平成18年09月12日があります(尚、大阪高判昭和54年7月30日判時948号44頁なども参照)。

 

但し、この考え方は要綱は権利義務関係を発生させないという伝統的な考え方からすれば、やや苦しい面もあります。

 

 

第3は、平等原則を媒介にした争うという方法です。

この方法は、自分と同視できる他者には給付しているにも関わらず自分には給付されていない、という点に立脚したものです。

 

そして、この方法であれば、要綱に基づく給付行政であっても(憲法は公法関係の全てに妥当するので)給付を基礎づけることは可能です。

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