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2008年5月17日 (土)

【民訴】 主要事実と間接事実の区別方法について

 

今日は、質問を受けましたので、主要事実と間接事実の区別方法について、一言。

 

 

 

■定義

主要事実とは、

 

「権利の発生、変更、消滅という法律効果の判断に直接必要な事実」

 

をいい、

 

間接事実とは、

 

「経験則、論理法則の助けを借りることによって主要事実を推認するのに役立つ事実」

 

をいう(以上につき、高橋宏志『重点講義 民事訴訟法 上』〔有斐閣、2005年〕375頁)。

 

 

 

■説明

この「主要事実か間接事実か」という区別が問題になる論点としては、「当事者から主張のないまま認定された事実の弁論違反の有無」があります。

 

そして、この論点に関する有名な事例としては、

 

最判昭和33年7月8日民集12巻11号1704頁(代理方式による契約締結事実の主張の要否が問題になった事例

最判昭和55年2月7日民集34巻2号123頁(所有権の来歴の主張の要否が問題になった事例

 

などがあります。

 

 

伝統的通説に従えば、これらの事例において認定された事実が主要事実か間接事実かであるかは、弁論主義違反になるかどうかの分かれ目であり、重要なポイントと言えます。

 

そして、この当事者から主張の無いままに認定された事実が主要事用実か間接事実かの区別方法について、高橋先生は次のように述べられています。

 

「当事者からの主張がないまま認定された事実につき、それが主要事実であるか否かを直接考えるよりも、もし、当該事実が当事者から主張されたとした場合、それが抗弁事実にあたるか積極否認事実にあたるかを考える方が混乱を少なくする考察方法だとされている。」(前掲・高橋386頁)。

 

つまり、抗弁事実に当たるのであれば主要事実であり、積極否認の理由事実に当たるのであれば間接事実である、ということになります。

 

この考察方法は以下の理由に基づきます。

 

「否認と抗弁は主張者が証明責任を負うか否かによって区別されるが、したがって理由付き否認の理由部分については主張者は証明責任を負っていない。すなわちそれは相手方が証明責任を負っている事実と両立しない事実、反対形相となる事実である。すでに相手方が証明責任を負っている事実の反対形相であるからこそ、否認者はその事実につき証明責任を負わなくてよいのである」(新堂幸司ほか『演習民事訴訟法2』〔有斐閣、1985年〕92頁〔高橋宏志〕)。

 

つまり、ある事実(例えば、「その時、私は海外にいたから弁済を受け取ってはいない」という事実)が積極否認の理由に当たるのであれば、その否認の反対形相たる事実(「日本にいた」という事実)についての証明責任は否認者の相手方が負っているはずです。

 

そして、伝統的通説に従えば、証明責任は主要事実にしか課されず、かつ、証明責任は当事者の一方にしか課されません。

 

したがいまして、積極否認の理由に当たる事実は、主要事実以外の事実、すなわち間接事実になります(補助事実は度外視しています)。

 

 

 

尚、一応、注意すべきは、当事者の主張は抗弁事実と積極否認事実に二分されるわけではないという点です。

 

例えば、前掲最判昭和33年7月8日に即して申しますと、原告Xが被告Yとの売買契約締結事実を請求原因として代金支払請求をしたとします。

 

そして、これに対して、被告Yが、「私は原告Xとは契約を締結していない。原告Xの代理人であるAと契約を締結した」と主張したとします(こんな主張は机上の空論だと思いますが)。

 

この場合、被告Yの主張する事実は抗弁でも否認でもありません(定義を確認してください)。

Yが主張する事実は、原告の請求を基礎づけているので、請求原因事実に当たります。

 

したがいまして、Yが主張する事実は主要事実に当たります。

……瑣末な注意ですね。本当に(^_^;)。

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コメント

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