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2008年5月 5日 (月)

【民訴】 訴訟告知の基礎知識

 

今日は、質問を受けましたので、訴訟告知について、ごくごく簡単に一言。

 

 

 

■条文

(訴訟告知) 第53条

1項  当事者は、訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。

4項  訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、第46条の規定の適用については、参加することができた時に参加したものとみなす。

 

 

 

■定義

訴訟告知とは、

 

「訴訟の継続中、当事者から第三者たる利害関係人に対して、訴訟が継続している旨を法定の方式によって通知すること」

 

をいう(高橋宏志『重点講義 民事訴訟法 下〔補訂版〕』〔有斐閣、2006年〕349頁)。

 

 

 

■説明

最初の質問は、「参加することができる第三者」(53条1項)の範囲はいったいどこまでか?というものでした。

 

結論としては、53条1項の「参加することができる第三者」は、補助参加人(42条)に限られず、独立当事者参加人(47条)や共同訴訟参加人(52条)を含むと解されています。

 

この点について、争いは無いと思われます。

 

 

 

次の質問は、訴訟告知を受ければ被告知者は常に参加的効力に服するのか?という質問でした。

 

これも結論から申し上げれば、多数説は、

 

被告知者が「告知者を保護すべき実体上の地位にある場合」に限って参加的効力が被告知者に及ぶ

 

と考えています(前掲・高橋350頁)。

 

46条の効力を敗訴責任の公平な分担に基づく参加的効力と解する通説の立場からすれば、このような限定が適切ではないかと私も考えます。

 

何故ならば、参加的効力の根拠は信義則にあるところ、被告知者が告知者を保護すべき実体上の地位にある場合には「被告知者が実体関係を熟知しており、告知者に協力することが期待されてしかるべきだから」(前掲・高橋350頁)です。


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