« 【余談】 Interesting News : Feb 17. 2010 | トップページ | 【余談】 Interesting News : Feb 25. 2010 »

2010年2月20日 (土)

【民法】 権利者からの取得が明らかな場合の即時取得

 

ボ2ネタの2010年2月20日の記事のコメント欄に,大要,以下のような書き込みがございました。

 

”最近の要件事実論では,権利者からの取得が明らかな場合にも即時取得の成立を認めるという内容が教えられているようだ(例えば,大島眞一『<完全講義> 民事裁判実務の基礎』〔民事法研究会,平成21年〕401頁)。”

 

”従来であれば,誤りとされていたのではないか。”

 

結論から申し上げれば,大島判事が書かれている内容が正しいのではないかと私は考えております。

 

 

 

■定義等

原始取得とは,

 

「前主の権利に依存しない物権の取得」

 

を言います。そして,

 

「この場合には,原始取得された物権と両立し得ない権利は,原始取得を認める趣旨に照らして必要とされる限りにおいて,反射的に消滅することになる。」

 

「他の権利の反射的消滅を伴う原始取得の原因として……即時取得(192条)……などがある。」

以上につき,佐久間毅『民法の基礎2 物権』〔有斐閣,2006年〕26頁

 

と一般に解されています。

 

 

 

■実体法的に即時取得を主張する意味

定義の説明を御覧いただければ,だいたいお分かりかと思いますが,即時取得の効果は原始取得と解されています。

 

したがいまして,取引行為による完全な動産所有権を期待して動産の占有を取得した者に即時取得が認められれば,その占有取得者は完全な所有権を取得することができると一般に解されています(但し,道垣内弘人「民法★かゆいところ 時効取得が原始取得であること」法教302号53頁〔2005年〕参照)。

 

つまり,客観的には動産所有権の内容が制限されていた場合であっても,即時取得が認められればそのような制限は消滅します。

このような効果は,単純な売買契約などによる承継取得の場合には認められません。

 

ですから,権利者からの取得の場合であっても,即時取得を肯定するメリットは十分にあります。

 

 

もちろん,通常,即時取得は,前主が無権利者であることが判明した場合に用いられる制度です。

 

拙稿:【民法】 即時取得(善意取得)の要件・その2〔要件〕
http://etc-etc-etc.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_1229.html

 

ですから,上記ボ2ネタのコメント欄に記載されていた指摘は,まっとうな疑問だと思います。

 

 

 

■要件事実論的に即時取得を主張することの当否

また,上記の大島判事のご著書の設例は,上記のように動産所有権の内容が制限されていた場合ではありません。

ですから,確かに,即時取得を敢えて主張する現実的必要性は少ないです。

ですが,当該設例の主張内容や事実からすれば,即時取得の主張はa+bの関係ではありませんから,要件事実論的にも即時取得の成立を認めて問題はありません。

 

 

……以上のように,私は考えているのですが,どこか間違っているかもしれません(^^;)。

|

« 【余談】 Interesting News : Feb 17. 2010 | トップページ | 【余談】 Interesting News : Feb 25. 2010 »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

即時取得が成立しない(対抗要件具備による所有権取得の抗弁が優先する)と考える説も、おそらく、即時取得の要件事実に前主無権利を追加したり、即時取得の主張に対する反論として前主有権利を想定したりするわけではないと思います。
おそらく、彼らの主張としては、
・前主→第二譲受人 売買
・基づく対抗要件具備
という事実の主張があれば、裁判所は、それは対抗要件具備による所有権喪失の抗弁と解さなければならない、という趣旨かと思います。その根底には、承継取得が成立する場合にはそれによって権利を取得し、原始取得は認められない、という考えがあるのだと思います。(ただし、この考えによっても、おそらく、前主権利に制限物権等が付着していることが明らかな場合には、制限された権利を承継した者に、即時取得の主張を認めるのだと思います。)

ゆえに、両者の対立点については、
・一般論として、当事者の主張する法的構成が裁判所を拘束するのか、という点と、
・承継取得と原始取得が想定できる場合に、原始取得を主張する構成を当事者が主張した場合に、裁判所が承継取得の構成として扱うことができるのか、
という点にあると思います。

もちろん、過剰主張の考慮は別です。

投稿: ボ2ネタより | 2010年2月21日 (日) 12:08

ボ2ネタよりさん,コメントありがとうございます(ひょっとすると,ボ2ネタの「中の方々」のどなたかでしょうか(^^;))。


まず,頂戴したコメントの内容の分析が簡潔かつ的確で,大変勉強になりました。


次に,ご指摘された対立点ですが,理論面だけでなく,実際の運用面でも色々と難しいポイントを含んでいるように思います。

第1の当事者の法的構成に関する主張の拘束力の有無は,恐らく,総論レベルでは「無い」という見解が極めて多数の支持を受けることになるのだと思います。

ただ,非常に大きなテーマであるが故に,各論レベルでは議論があるのかな,と思います。

つまり,理論上&証拠上複数の法的構成が考えられる状況において,当事者が特定の構成を選択した場合には,実務上,訴訟には現れていない「事情」が存在することが少なくないと思われます。


もちろん,裁判所としては,弁論主義の観点から,訴訟に顕在化している主張,事実,証拠だけを踏まえて判断を示せば良いわけです。また,裁判所としては,そのような姿勢を堅持することが大切だと私は思います。

しかし,他方で,弁論主義の趣旨の1つである私的自治の実現という観点からすると,訴訟に顕在化していない「事情」を完全に無視してよいのか,そのような「事情」に立脚して選択されている法的構成の拘束力を”裁判所の専権”という根拠だけで否定することが正当化されるのか,という疑問もあります。

第2の原始取得と承継取得の問題は,私的自治の観点から致しますと,やはり第一義的には原始取得と構成せざるを得ないのかな,と思います。
ただ,この問題については,刑事訴訟法における縮小認定の議論と同様の思考方法が妥当するのではないか,とも考えています。

以上,特に思考を深めるわけでもなく,つらつらと書いてしまいました(>_<)。

何も建設的なことを申してませんね,私(笑)。

投稿: shoya | 2010年2月21日 (日) 12:59

ボ2ネタからきました。地方のロー生です。

要件事実的に即時取得の抗弁が成立つという考え方は、被告の事実主張により所有権喪失の抗弁と即時取得の抗弁が並存しているということでいいのでしょうか。
あるいは、被告の意思によりいずれかの主張のみに限定されると解するのでしょうか。

限定されると解するのは、法的構成について裁判所が拘束されることを意味し問題があるでしょうし、被告が即時取得を主張すると被告が背信的悪意であったとしても、原告がその旨の主張をしても意味がないということになりかねません。(背信的悪意はあくまで、第三者の所有権取得につき背信的悪意であるだけであって、そのような場合にはむしろ前主の所有権について被告は善意・無過失であるでしょうから、前者の主張は即時取得に対して意味がないからです)

他方で並存するとすると、攻撃防御としておかしい状態になるように思います。
被告の事実主張が事実と認められた場合には、原告としては両方の抗弁の効果を覆滅させなければなりません。
つまり、
所有権喪失の抗弁に対しては、「被告が原告の所有権取得原因につき悪意でかつ背信性があること」をいうとともに、
さらに即時取得に対して「前主の無権利について悪意ないし過失がある」といったことも主張する必要があるということになるのではないでしょうか。

いずれにしても、おかしなことになりそうですので、私としては、対抗要件具備による所有権喪失が主張される事例では、即時取得の主張がされていると見るべきではないように思います。

投稿: 羽後 | 2010年2月27日 (土) 11:48

羽後さん,コメントありがとうございます。

>>要件事実的に即時取得の抗弁が成立つという考え方は、
>>被告の事実主張により所有権喪失の抗弁と即時取得の
>>抗弁が並存しているということでいいのでしょうか。

いえ,必ずしもそういう訳ではありません。
つまり,いわゆる「a+b」の場合は,並存しないこと
になります。

私の上記説明が言葉足らずだったかもしれないので恐縮
なのですが,あくまで「大島判事のご著書の説例では
過剰主張に該当しない」ので要件事実論の観点から
しても即時取得の抗弁が成立するということです。

この説例を離れて常に並存する訳ではありません。


また,事実レベルでは重複する複数の主張が存在すると
しても(つまり,事実レベルではある主張が他の主張を
包含する関係にあっても),それらの主張の訴訟上の
効果が異なる場合は,そもそも,a+bの関係にありません。


更に,a+bの関係にある抗弁であっても,例えば
異なる要件事実で構成される再抗弁が提出されている
場合(特に,訴状の段階で再抗弁の事実も主張されて
いる場合)は,いわゆる「後ろが違うa+b」
(許されたa+bの一種)として,要件事実論的にも
問題ないとされていると思います。


そもそも要件事実は,具体的な訴訟の場における議論を
整理するための「手段」に過ぎませんから,具体的事例を
離れて議論することがなかなか難しい分野です(お互いの
想定している事例が違うと議論が噛み合いません(^^;))

ですから,私も,羽後さんのご指摘を的確に理解して
いるか不安なのですが,取り急ぎ,回答させて
いただいた次第です。

投稿: shoya | 2010年2月27日 (土) 13:42

上の私のコメント,設例の「設」の時が
「説」になっていますね(^^;)

失礼いたしました。

投稿: shoya | 2010年2月27日 (土) 13:43


http://dop.chibatetsuya.com/i0o8usi/
あばばばばば!!なんじゃこりゃ!?
3日やっただけでオレの安月給を軽く越えちまった!!!!
てかもう働く意味ねぇし、オレこれで食ってくわ!!うはははははwwww

投稿: オレもう仕事やめるッ!! | 2010年3月20日 (土) 17:31


あ"あ"あ"あ"ぁぁぁ!!これ!!!!!
http://0ak1kuj.mat.pizapizahiza.net/

ツレに教えてもらったんだがマジすげぇぇぇぇwwwうぇwwwww
手当たり次第にはめまくったら1週間で20マン稼げたぞ!!!!

投稿: ぎゃぼぉぉぉwww | 2010年4月 4日 (日) 02:32

空にも飛べるはず

投稿: ロロノア | 2011年4月20日 (水) 11:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【余談】 Interesting News : Feb 17. 2010 | トップページ | 【余談】 Interesting News : Feb 25. 2010 »